2025年12月5日 北海道新聞掲載
本紙7月25日の「深海探査用の母船新造へ」の記事を読んで久しぶりに胸がワクワクした。文部科学省が、深海探査機を載せて航海する母船を新たに建造する方針だという。探査機を複数載せる構造にし、効率的に海底の地形や資源、生態系の調査をするそうだ 。
深海は宇宙と同じように謎の多い領域である。もともと日本は周りを海に囲まれており、昔から海とは縁が深かった。さらに日本の領海と日本の排他的経済水域(EEZ)の総面積は国土の約12倍もあり海洋大国と言ってもいい。深海の調査ができるようになったのは最近だが「未知の世界」を探索するのは興味深い。
新造船は巨大地震の震源域の研究やレアアース(希土類)の採掘など有用な目的もあるだろう。だが、それ以上に「未知の世界に何があるのか」と興味が喚起されるのだ。きっと未発見の深海生物もいるに違いない。国の予算に余裕はないかもしれないが、ここはケチらずに最高レベルの母船を作ってほしい。