北電第100回株主総会での発言

24年6月26日更新
なるみ一芳事務所 住所 〒047-0155 小樽市望洋台1-7-201 電話 080-5477-2129 メール narumi@mirai-kita.net

2024年6月26日

私はこの株主総会において、過去数回にわたり北電が原発を廃止して再生可能エネルギー日本一の電力会社になることを発言してきました。

しかし、今日に至るまで北電は原発にこだわり、再生可能エネルギー中心の電力会社になる方向性を示していません。

私は原発廃止と再エネ主力化を求める株主提案を支持する立場で改めて発言します。

ドイツは昨年再エネが50%を超え、3月には稼働していた3基の原発を停止し原発ゼロになりました。ドイツ政府国際気候政策担当特使のジェニファー・モーガンさんによれば、2030年までに再エネを80%にして残りの20%をLNGを中心とする火発にするそうです。もちろん石炭火発は全廃です。ちなみに、ドイツは電力輸出国です。

どうして日本で、そして北海道で、これができないのでしょうか。2023年12月10日付北海道新聞「記者の視点」によれば、2011年度と2013年度の発電量を見ると、停止した原発を火発が補って83%が火発になりました。その後再エネが増えて、2022年度は62%に下がっているとの記事がありました。北海道においては再エネが既に40%近くになっているというのです。北電がサボっている間に再エネが着々と増えているのではないでしょうか。

なぜ北電は再エネに本腰を入れないのでしょう。今回の株主提案に対する北電の反対意見では、再エネを2030年までに30万kw増やすとしています。目を疑いました。一桁足りないのではないでしょうか。北電がサボっている間に、道内では関電など外部資本が着々と再エネを増やしています。

国連のグテレス事務総長は6月5日に「気候変動対策を妨害している」として、化石燃料広告の全面禁止を世界に呼びかけました。また、世界の流れは再エネ由来のエネルギーでないと製品を造っても販売できない方向になっています。半導体製造予定のラピダスも再エネ由来の電力を求めています。つまり、再エネを増やさなければ電力を売ることもできなくなるということです。再エネを大幅に増やすことを求めます。

次に許せないのは、石狩湾新港に設置予定のLNG火発2、3号機です。本来2号機は2023年3月着工、2026年12月発電開始、3号機は2027年3月着工、2030年12月発電開始だったはずです。それを今回2号機を2034年開始のところを2030年開始にしたと、まるで早めたかのような言いぶりです。ふざけるなと言いたい。本来2026年12月には発電開始しているはずの2号機を2030年発電開始では早めたのではなく、遅らせたというのが正確ではないでしょうか。

ドイツも当面は再エネの不安定さを補うため一定の火発を残す予定です。それでもCO2の排出量を大幅に減らすことが出来ます。石狩湾新港のLNG火発1号機は発電効率が62%でありCO2の排出量が石炭火発の半分以下です。

つまり、計画を後ろ倒しにするなどの北電経営陣の不作為によって、CO2の大幅削減に失敗しているのです。なぜ当初予定の計画に戻せないのか不思議でなりません。原発の再稼働をあきらめてください。そのために投資される膨大な資金を石狩湾新港のLNG火発と再エネに回しましょう。それが最も北電の経営にプラスになります。LNG火発を当初計画で実行することを求めます。

最後にお願いします。今年の提案された役員人事は承認されるでしょう。しかしながら、来年度の役員提案は、これまで原発にこだわり再エネ拡大や石狩湾新港のLNG火発の新設をさぼってきた、これまでの役員を全員退任させてください。もちろん退職金は0円です。そして、再エネを主力とした北電経営を目指す新しい人材を役員に選任してください。

以上を述べて発言とさせていただきます。

北電株主 鳴海一芳