2024年1月11日 北海道新聞掲載
1月7日本欄に「選挙権 棄権せず必ず行使」という18歳の高校生からの投稿があった。選挙権が与えられたので真剣に考えていきたい…と、真っすぐなまなざしが感じられる意見だった。
ただ、現在の選挙制度がそうした思いに応えられているだろうか。カネのかかる中選挙区制から小選挙区制に改め政権交代可能な二大政党が政策を競い合う…と、衆院選に導入された小選挙区比例代表並立制だが、小選挙区制では死票が大量に出てしまう。
一区で1人しか当選しないため、3人以上が立候補した場合、過半数の得票がなくても当選となり、過半の票が死票となってしまう。せっかく真剣に候補者を選んでも死票になってばかりでは投票に行く気も失せてしまうのではないか。
無理に二大政党制にする必要はない。多様な意見を反映させる連立政権のほうが民主的だし、相互監視が働いて腐敗しにくい。政治刷新というなら、この機会に選挙制度を比例代表に比重を置くよう変更すべきだ。