核ごみ 住民分断する政府

23年10月11日更新
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2023年10月11日 北海道新聞掲載

9月3日投開票の寿都町の町議選には全国から注目が集まった。原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた調査継続の是非が焦点となったからだ。

しかしおかしいだろう。国策として原発を推進してきたのは政府だ。だとしたら核のごみについても政府が責任を持って、国内で最も安全な場所を最終処分場として選定し、科学的根拠を示しながら当該の住民に理解を求めるのが筋ではないのか。

フィンランドで建設中の最終処分場「オンカロ」は、19億~18億年前から変化がないという安定した岩盤で、かつ政府が住民との対話を長い間積み重ねて最終処分場を決めた。

ところが日本は文献調査に20億円、概要調査に70億円という交付金をちらつかせながら、地方自治体が手を挙げるのを待つ-というあり得ない方法を取っている。住民を分断しているのは政府であり、過疎地を誘導するような選定方法はただちにやめるべきである。

政治の真の役割は何か。菅首相は胸に手を当てて考えてほしい。