小樽市に「公共施設再編」陳情書

20年3月30日更新
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2020年(令和2年)3月10日

小樽市議会議長 鈴木善明 様

「公共施設再編にあたる機能と利便性の維持向上方について」の趣旨説明

公共施設再編を考える会代表世話人 鳴海一芳

1 拙速な再編をするべきではない

公共施設のあり方については、2017年から意見交換会やその後の検討を経て、昨年の10月に「素案」として示され、8回の市民意見交換会を行ないましたが、それまでの時間のかけ方に反しあまりに拙速であり、市民の声や利用者の声を反映するものになっていません。いわばアリバイ作りの手続きのように感じた人は多かったと思います。

「長寿命化計画」を理由に来年度中に結論を求めるのは、やはり無理があるのではないでしょうか。改めて、利用者も含めた意見の聴取に時間をかけて行なうことを求めます。

2 公共施設のあるべき姿とは

言うまでもなく、公共施設は市民の宝であり、なくてはならないものです。それは単に経済合理性だけで判断すべきではありません。公共施設は小樽市民のみならず、後志の住民も含めた、健康や文化、芸術などの豊かな発展と成果の礎のひとつとなるものです。例えば、スポーツ施設は子供たちにとっては健やかな成長に資するものであり、高齢者にとっては豊かな老後と健康寿命を延ばすことにつながる施設です。赤字というお金では測れない豊かな果実(成果)があることを忘れてはなりません。高齢者の健康寿命が伸びれば、医療費などの削減につながり結果的に財政の健全化に役に立つのです。

ところが、今回の提案は、2017年の検討開始時点から、人口減と財政難の観点が主な内容になっており、「1総量の削減、2効率的な再編、3安全性の確保」が方向性として示されています。これらを導き出すために2016年のアンケートが紹介されていますが「2040年には7万人の人口になることを踏まえて、将来の公共施設の量は」とか「維持するためには膨大な費用が必要で、財政が減少する中でどのような対策が重要か」など、一定の方向性を誘導する内容のアンケートになっています。公共施設を利用しない人にすれば、縮小再編が多数になるのは明らかで、意図的な誘導をしていると指摘されても仕方のないものです。

また、公共施設の維持管理費は現状を維持すれば、現在の年16億円から向こう40年間、年63億円になるという事実上の誤魔化しを行なっています。金額の大きい素案3でも76.6億円(借上料、プール維持費含む)であり、40年で割れば年2億円以下となります。公共施設全体の金額を示し、今回の対象施設が大きな比重を占めているかのように印象付けして、削減の理由にすることは許されないと思います。

3 「公共施設素案」(2019年(令和元年)10月発表)の問題点

素案1の概要は「実現可能で施設量の削減効果がもっとも高い案」、2は「実現可能で素案1の次に施設量の削減効果が高い案」、3が「市民の要望を可能な限り実現するようにした案」と記載されています。先ほど述べたように、経済合理性だけを理由とした再編は間違っていると思います。

また、民間連携の検討に触れていますが、必ずしも民間委託が質の高いサービスの提供と経費削減につながる保証はありません。全国には失敗例も多く、慎重な検討が必要です。なにより、市職員の能力を最大限に活用し利用しやすい公共施設を目指すべきです。

4 陳情に関わって-プールの存続は約束である

公共施設再編を考える会は11月14日に初会合を開催してから意見を出し合い5項目の陳情書を提出しました。時間の制約もあり、陳情書の2と3について説明をさせていただきます。

まず2の体育館とプールの併設ですが、運動機能の集約と利便性の向上から是非とも必要だと考えます。運動施設の需要は極めて高く、総合体育館、勤労青少年ホーム(体育館・軽運動室)、勤労女性センター(軽運動室)の利用度は90%近い施設も多くあります。併設のほうが単独施設よりも建設・運営費の面でも経費の削減効果が見込めます。

特に強調したいことは、プールは市長及び議会の公約であり、約束を破ることは許されません。なにより、旧市民プールが廃止されるにあたって、売却金が発生しているのであって、今更お金がない、などということが許されるはずもありません。もちろん財政状況を無視することは出来ませんが、小樽市が市民プールを整備することは可能なはずです。「第7次小樽市総合計画」でも「スポーツ・レクリエーション」の項目に「総合体育館と市民プールの整備の検討」となっており、可否の検討ではないはずです。

他の自治体の例でいえば、人口2386人の秩父別町では25メートルコース6本のプールがあります。(7月8月のみ開設・無料)この町は子供の遊戯施設も大変立派で、施設があることを理由に子育て中の家族が移転してきた等の成果が出ていると聞きます。まさに、人口流出に悩む小樽市こそこのように公共施設の充実に力を入れるべきではないでしょうか。

また体育館とプールは非常時に役に立ちます。体育館が非常時の避難場所となり、 プールの水がトイレの排水水として利用できるなど、その役割は重要です。

次に3の勤労女性センターでいえば、託児所の存在は子育て中の家族にとって貴重な施設であり、勤労青少年ホールも未来創造高校の生徒が通学途中に談話室代わりに利用するなど、その存在をアピールし利用を促すことも必要です。

 これらの施設の必要性は十分あり、利用者の意見をよく聞き、交通の便が良く利便性の良い施設を集約の可否も含めて計画されるよう強く求めます。そのことが小樽市の魅力を高め人口流出の歯止めとして機能することは明らかだと思います。

5 小樽と後志の発展のために

視野を広げれば小樽市だけの問題ではありません。「しりべし定住自治圏共生ビジョン」にも「社会教育施設などの公共施設の共同利用を促進する」とあります。小樽市の子供たちが後志の子供たちと水泳大会で競い合う姿を想像してください。素晴らしいと思います。私事で申し訳ありませんが、私が小学6年生の時、3町対抗陸上大会(陸別、足寄、本別)に学校代表で出場しました。ソフトボール投げと走高跳に出ましたが、他校の生徒のレベルの高さに驚かされ、刺激を受けたことを覚えています。その経験は貴重な財産になっています。

今求められていることは、小樽市の職員の相当数が札幌から通勤しているとか、小樽商科大学の生徒の半数以上が札幌から通学しているとか、堺町通りのお土産屋さんで働く若者が札幌から来ているとか、Facebookで小樽に憧れて移住してきたが失望したとの書き込みがあるとか、子育て中のお母さんが小樽の公園が貧弱だと言っているとか、魅力ある街づくりに失敗している現状を変えることです。だからこそ、公共施設が経済原則のみで語られるのではなく、今こそ住んでよかったと言える街づくりのために公共施設を魅力あるものにしていく議論が求められているのです。

以上


陳情書

2020年1月24日

小樽市議会議長 鈴木善明 様

陳情者 公共施設再編を考える会
代表世話人 鳴海一芳
世話人 小田原温子
世話人 角江嘉昭
世話人 高野秀子
世話人 吉川洋子
連絡先 小樽市朝里4-6-22
080-6080-9321(高野)

公共施設再編にあたる機能と利便性の維持向上方について

公共施設は市民の共有財産であり、本市の発展に欠かせない施設です。

いつまでも住み続けられることができる魅力的な古里でなければ、若者や子育て世代の人口流出が避けられないことは明らかです。

きちんとしたコンセプトの上に、市民の合意と支持のもとに利用しやすい公共施設を設置・運営することが求められています。

元々小樽市は、北海道の中で最も歴史があり、運河や古い石倉などが保存され、文化と芸術があふれる魅力的な街です。

これらの歴史的遺産を生かし、未来に向かってスポーツと音楽など文化と芸術があふれた魅力的な街づくりを進めるためにも、公共施設がその一翼を担うよう、再編に当たって下記のとおり陳情します。

  1. 小樽商業高校跡地に勤労女性センター、勤労青少年ホーム、生涯学習プラザを移転しないこと。
  2. 体育館新設にあたっては、プールを併設すると共に使い勝手の良いものにすること。
  3. 勤労女性センターや勤労青少年ホーム、生涯学習プラザなどの各界各層の利用する施設は利用者の要望を最大限尊重すること。
    とりわけ、子育て中の家族が多く利用する施設は託児所を設置することも検討すること。
  4. 市民会館大ホール(劇場機能)は、現在あるホール機能を維持すること。
  5. 施設改修にあたっては、ユニバーサルデザインを考慮すること。