2018年3月20日 北海道新聞掲載
昨年7月、国連で122ヵ国が賛成し核兵器禁止条約が採択されるという画期的な出来事があった。その原動力になった国際非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」がノーベル平和賞を受けたのも記憶に新しい。
ICANの活動では、日本の被爆者の貢献が大きい。ところが、日本では核兵器禁止の運動が大きく分裂している。これでは被爆者や世界中の核兵器廃絶を願う人々の思いに応えにくい。今年8月、また広島、長崎の「原爆の日」がやってくるが、ぜひ核兵器に反対する全ての人々が一堂に会する大会にしてほしい。
ICANと活動をともにしてきた被爆者のサーロー節子さんは平和賞授賞式での講演で「世界の圧倒的多数の国々が核兵器禁止条約を採択した時、私は喜びで感極まった」「かつて人類の最悪の時を目撃した私は、この日、人類の最良の時を目撃した。これを、核兵器の終わりの始まりにしよう」と述べた。運動統一へ関係する入々の協力を呼びかけたい。