2014年5月13日 北海道新聞掲載
先日東京で開かれた全国カジノ賭博設置反対連絡協議会設立集会に自費で行ってきた。集会では静岡大の鳥畑与一教授が米国の報告を引用し、カジノによる一地域の繁栄は他の地域の衰退を招くと説明した。いわば「共食い」だという話が胸にすとんと落ちた。
実は自分が働いていた職場でもギャンブルが原因で、やめた人が何人かいるこうした人は所得のほとんどをつぎ込んでしまい消費者金融、友人らにも借金していた。結局、退職金でも借財を完済できず離婚など家族崩壊に至った例もあった。
本来それらのお金は飲食や旅行などに使われるはずだったのでないか。借金で未来の所得を食いつぶし、本来の消費を「共食い」して、さらには失業や生活保護などの社会的コストは社会全体で負うことになることから、経済的にみても良いことではない。
厚生労働省の調査から推定されるギャンブル依存症患者は560万人という。これ以上増やしてはいけない。世界の富裕層がお金を落とすという人もいるが、いつから日本はそんな貧しい国になったのか。北海道にも日本にもカジノはいらない。