2014年3月21日 北海道新聞掲載
先日、寝台特急「北斗星」に乗った。上野駅には見送り客が30人くらいと車両の先頭と最後尾にカメラを抱えた鉄道ファンがそれぞれ5人くらいいて、ほかの車両にはない雰囲気を醸し出していた。
北斗星は人々であふれるいくつもの駅のホームを横目に走り、まるで別世界にいるような不思議な感覚になった。私が乗った2号車は7割方、埋まっていて、外国人の家族も1組乗っていた。パブタイムに食堂車に行き、車窓を過ぎ去る街の灯りを見ながら至福のひとときを過ごした。翌朝、駒ケ岳の雄姿を見た後、食堂車で噴火湾を見ながらの朝食も格別だった。食堂車には4人組とカップルの外国人がいた。洞爺で20人ほどのツアー客が下車していった。北斗星には他の交通機関にはない味わい深さがある。
ところがこの北斗星の廃止が検討されているという。北海道観光(ビジネス客も含めて)に欠かせない交通手段ではないだろうか。JR北海道も道も北斗星存続に向け努力してほしい。